お客様には、今すぐ契約する方と、いつか契約する方がいます。問い合わせから数週間で決まる会社がある一方で、資料請求のあと半年動きがなく、1年後に「予算がつきました」と連絡をくれる会社もあります。営業の成果を長い目で左右するのは、実は後者をどれだけ取りこぼさずにいられるかです。
この記事では、検討に時間がかかるお客様がなぜ生まれるのか、その相手を忘れずに追い続ける仕組みとしてのTHEモデル、当社がTHEモデルを教科書に作ったSFA「RINGO SFA」、そしてその運用を代行する「RINGO インサイド」について書きます。
01お客様には「今すぐ」と「いつか」がいる
問い合わせをくれたお客様の中には、すでに課題がはっきりしていて、予算も決裁者もそろっている会社があります。こうした会社は、提案の内容と価格が合えば短い期間で契約に進みます。営業の現場では、この「今すぐ」のお客様に時間を使うのが自然です。
一方で、同じ問い合わせの中には「情報を集めている段階」「来期に向けて比較している」「上司に言われて資料だけ取り寄せた」というお客様もいます。この方々は今月の売上にはなりません。けれども、関心があって連絡をくれた相手であることに変わりはなく、検討の時期が来れば契約に進む可能性を持っています。
問題は、「いつか」のお客様が、追いかけないかぎり静かに消えていくことです。数か月後に検討が本格化したとき、最後に連絡を取っていた会社がほかにあれば、そちらに声がかかります。最初に問い合わせをもらったのに、決まる頃には名前も思い出してもらえない。成果が伸び悩む営業組織では、この取りこぼしが毎月のように起きています。
02人が多い組織ほど、検討は早く始まり長く続く
「いつか」のお客様が多くなるのは、相手の会社の中で、買うための手続きが長いからです。人が多い組織ほど、1つの発注に関わる人が増えます。担当者が情報を集め、上長に相談し、関係する部署と使い方をすり合わせ、予算を確保し、稟議を回して決裁を取る。どれか1つが止まると、次に進みません。
しかも大きな組織では、この稟議の準備が、実際に発注する時期よりずっと前から始まります。来期の予算に入れるには、今期のうちに見積もりと比較の材料をそろえておく必要があるからです。担当者が資料請求をした時点は、検討の入口であって、決まる時期はその先にあります。
つまり、資料請求や問い合わせの段階で「まだ先です」と言われたお客様は、見込みが無いのではありません。社内の手続きがこれから始まる、という意味であることが多いのです。この段階で接点を持ち、手続きの節目ごとに必要な材料を渡せる会社が、最終的に選ばれやすくなります。
03単価の大きい案件は、半年から1年以上かかる
発注の金額が大きくなるほど、検討は慎重になり、関わる人も増えます。単価の大きい案件では、最初の接点から契約まで半年から1年以上かかることも珍しくありません。その間に、お客様の社内では次のようなことが順に起きています。
| 検討の段階 | お客様の社内で起きていること | 営業が渡せるもの |
|---|---|---|
| 情報収集 | 担当者が課題を整理し、解決の手段を調べている | 事例、資料、課題の整理に役立つ情報 |
| 比較・検討 | 候補を数社に絞り、社内の関係者に意見を聞いている | 比較のための材料、関係者向けの説明資料 |
| 予算化 | 来期の予算に入れるため、金額と効果の見通しを作っている | 見積もり、費用対効果の試算 |
| 稟議・決裁 | 稟議書を回し、決裁者の承認を待っている | 決裁者からの質問への回答、導入までの段取り |
この流れの途中で、担当者が異動したり、予算が翌期に回ったりして、検討が一度止まることもあります。止まった案件の多くは「失注」として記録されますが、理由の多くは時期や予算で、課題そのものが消えたわけではありません。半年後、1年後にもう一度動き出す可能性を残しています。
04営業の仕事は、案件にならないリードを忘れないこと
こう考えると、営業の仕事は「今すぐのお客様に提案して契約を取ること」だけではありません。今すぐ案件にならないリードを忘れないこと、とも言えます。資料請求のあと動きのない会社、一度は商談して見送りになった会社、過去に取引があった会社。こうしたリードを、検討が動き出す時期まで追い続けることが、来期や再来期の売上をつくります。
ところが、これを個人の記憶と努力に任せると続きません。目の前の商談が忙しくなれば、いつかのお客様への連絡は後回しになります。担当者が辞めれば、その人の頭の中にあった「この会社は来年の4月に予算が決まる」という情報も一緒に消えます。忘れないためには、誰が担当しても同じように追いかけられる仕組みが要ります。
当社では、商談済み・失注・過去のお客様・資料請求など、まだ契約に至っていないリードを「リサイクルリード」と呼んでいます。一度は接点があり、課題や検討の時期について何かしら分かっている相手です。新しいリードを集めるより、このリストを丁寧に追いかけたほうが、案件につながりやすいことも多くあります。
05営業のプロセスを科学したTHEモデル
この「忘れない仕組み」を、営業のプロセスとして体系にまとめたものの1つがTHEモデルです。マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスに役割を分け、リードの獲得から契約、契約後の関係づくりまでを1本の流れとしてつなぐ考え方で、営業DXの教科書として読まれてきました。
THEモデルの要点は、今すぐ商談にならないリードを捨てずに、インサイドセールスが関係を保ちながら育て、検討の時期が来たものをフィールドセールスへ渡すところにあります。各段階の件数と移り変わりを数字で見るので、どこで取りこぼしが起きているかも分かります。勘と根性に頼っていた営業を、再現できるプロセスに変える。その考え方が、多くの会社で営業組織を作り直すときの土台になっています。
ただ、教科書を読んだだけでは組織は変わりません。リードと案件をどこで分けるのか、次の連絡をいつ・何のためにするのか、失注した案件をどう扱うのか。毎日の運用に落とすところでつまずく会社がほとんどです。
06THEモデルを教科書に作ったRINGO SFA
当社のRINGO SFAは、このTHEモデルを教科書として作った営業DXのツールです。教科書の考え方を、毎日の画面と操作に落とし込んでいます。
- リードとパイプライン(案件)を分けて持つ。温度の低いリードはリード一覧で追いかけ、1〜3か月以内に案件化しそうなものだけをパイプラインへ上げる。
- すべてのリードと案件に、ネクストアクション(NA)として「次にやる行動」と「それをやる日」を持たせる。一覧はNA日の順に並ぶので、今日連絡すべき相手がすぐに分かる。
- 失注した案件は消さずに「リサイクル」へ移す。すると2か月後の日付で再接触のNAが自動で入り、忘れた頃に一覧へ戻ってくる。
- 接触のたびに、課題・検討時期・決裁者など分かったことを記録し、点数でリードの親密度を測る。空いている項目が、次に連絡する理由になる。
どれも、今すぐ案件にならないリードを「忘れない」ための仕組みです。NAの書き方やリードの持ち方は、ネクストアクションでインサイドセールスを回す|NAの書き方と必要なリードの数で詳しく書いています。
07当社の営業を運用ごと渡すRINGO インサイド
仕組みがあっても、それを毎日回す人がいなければ、リサイクルリードは一覧の中で眠ったままです。そこで当社が提供しているのが、リサイクルリードの運用代行「RINGO インサイド」です。当社がRINGO SFAで自社の営業を回してきたやり方、いわば当社の営業のDNAを、そのまま御社のリードの運用に持ち込みます。
RINGO インサイドのインサイドセールスは、SFAに残った過去のやり取りを読み、前回の続きから話します。「前回は来期の予算が決まる頃にと伺っていたので」と、連絡する理由を持って電話やメールをし、分かったことをSFAに書き残して、次のNAを入れる。検討の時期が来て商談が見えてきたら、パイプラインへ引き上げて御社の営業担当へ渡します。
SalesforceやHubSpotなど、すでにお使いのSFAでも運用できます。稼働は月50時間(1日2〜3時間)で月額25万円(税別)から、まず小さく始めたい場合は月20時間・月額12.5万円前後のライトプランもあります。
08リサイクルリードを回せる組織は、時間が味方になる
リサイクルリードを運用できる力が組織に身につくと、時間が経つほど競争力が増していきます。理由は、運用を続けるほど手元に残るものが増えていくからです。
- リードが減らない。失注も商談済みもリサイクルとして残るので、追いかけられる相手が毎月積み上がる。
- 記録が残る。お客様の課題、予算の時期、決裁者、断られた理由がSFAにたまり、次の連絡がどんどん的確になる。
- 担当が替わっても途切れない。情報が個人の頭ではなくSFAにあるので、異動や退職があっても同じ続きから話せる。
- 関係が続く。検討が止まっている間も節目ごとに連絡しているので、動き出したときに最初に声がかかる。
反対に、毎月新しいリードを集め、今すぐのお客様だけを追いかける営業は、何年続けても手元に残るものが増えません。広告費や人件費をかけて得た接点が、その月で使い捨てになっているからです。同じ費用をかけていても、リサイクルリードを回せる組織とそうでない組織では、数年後の差が大きく開きます。目安として、リサイクルリードが1,000件前後あり、月30〜50件ほど新しいリードが入ってくる会社であれば、この運用は回しやすくなります。
09特におすすめしたい3つの会社
RINGO SFAとRINGO インサイドは、営業DXの構造を自社に埋め込みたい会社に向けたサービスです。特に、次のような会社にはおすすめです。
| 会社の状況 | 起きやすいこと | 入れると変わること |
|---|---|---|
| 事業部のメンバーが10名以上いる | リードの扱いが人によってばらつき、誰が何を追っているか見えない | リードとNAが一覧で見え、全員が同じ基準で追いかけられる |
| 単価の高いエンタープライズ営業をしている | 検討が半年〜1年以上続き、途中で接点が切れて他社に決まる | 稟議の節目ごとに連絡が続き、動き出したときに声がかかる |
| リードタイムが長く、社長が一人で営業している | 社長の記憶と時間に頼り、忙しい月ほど過去のリードが放置される | 追いかける作業をISに任せ、社長は商談と判断に時間を使える |
3つ目の社長営業の会社は、特に効果が分かりやすい形です。社長が自ら商談を取ってくる会社ほど、過去に話したお客様の情報が社長の頭の中にしか無く、本人が忙しくなった月から連絡が途絶えます。RINGO SFAに記録を移し、RINGO インサイドが追いかけを担えば、社長でなくても続きの話ができる組織になります。
10まとめ
お客様には、今すぐ契約する方と、いつか契約する方がいます。人の多い組織ほど稟議の準備は前から始まり、単価の大きい案件では検討が半年から1年以上続きます。だからこそ営業の仕事は、今すぐ案件にならないリードを忘れずに追い続けることでもあります。
その仕組みを体系にしたのがTHEモデルで、それを教科書に作ったのがRINGO SFA、その運用を当社の営業のやり方ごと代行するのがRINGO インサイドです。リサイクルリードを回せる組織は、リードと記録が積み上がるほど強くなっていきます。過去のリードがSFAに眠ったままになっている会社は、まずはその件数を数えるところから、ご相談ください。
RINGO INSIDE SALES
眠っているリードを、
受注まで運びます。
RINGO インサイドは、SFAに眠るリサイクルリードを受注まで運ぶ内勤の営業代行です。SFAの運用経験が豊富なISを1名固定でつけ、ログを読んで前回の続きから話し、BANTと導入時期をSFAに残しながら、案件化が見えたらパイプラインへ引き上げます。月50時間(1日2〜3時間)で月額25万円(税別)から。月20時間・月額12.5万円前後からのライトプランもあります。
無料で相談する →RINGO インサイドのサービスを見る →