BtoBの営業には、問い合わせをした、資料を受け取った、商談をした、見積もりを受けたものの、その後に動きがなくなった会社が蓄積します。営業担当者が変わったり、時期が合わなかったり、予算が翌期になったりしただけで、課題そのものが消えたとは限りません。それでも、SFAの一覧で休眠顧客として眠ったままになると、毎月新しいリードを探す一方で、過去の営業資産は使われません。
休眠顧客の掘り起こしは、一斉に同じメールを送る施策ではありません。過去の接点と止まった理由を確認し、今連絡する理由を作り、相手の状況に合わせて再び会話を始める営業です。
01休眠顧客を掘り起こす価値
過去に接点を持った会社は、完全な新規企業よりも、課題の背景を把握しやすい場合があります。何に関心を持ち、どこまで検討し、なぜ止まったかが残っていれば、最初から商品説明をする必要がありません。相手の現在地を確認する会話から始められます。
過去の接点を放置すると、問い合わせを獲得するために払った広告費や営業工数が一度きりになります。掘り起こしは新しい予算を大きく増やさず、過去の投資からもう一度機会を作る方法です。
02最初にリストを分ける
休眠顧客を一つのリストにまとめると、連絡の優先順位がつきません。資料請求だけ、商談済み、失注、過去の取引先、紹介で接点がある会社など、接触の深さで分けます。さらに、止まった理由が時期、予算、競合、連絡不通、社内事情のどれかを確認します。
- 検討時期が先で、課題が残っている会社
- 失注したが、価格以外の問題がなかった会社
- 担当者の異動や社内体制の変化があった会社
- 過去取引があり、再提案の余地がある会社
接点の深さと止まった理由を掛け合わせると、最初に連絡するリストが見えてきます。
03再接触の理由を作る
久しぶりのご連絡ですだけでは、相手が返信する理由になりません。前回話していた導入時期、当時の課題に関係する新しい事例、業界の変化、サービスの改善など、連絡する理由を一つ持ちます。
理由は会社側の都合ではなく、相手の検討に関係するものにします。前回は予算の時期が合わなかったなら、今期の計画を確認する。担当者が変わっていたなら、現在の体制を聞く。相手が答えやすい質問にすると、会話が戻りやすくなります。
04BtoBで確認したい相手の変化
BtoBでは、企業の状況が変わると同じ課題が再び優先されます。組織の拡大、担当者の交代、事業所の増加、取引先からの要請、業務システムの刷新、予算方針の変更などです。
外部情報だけで決めつけず、連絡では現在の優先順位を確認します。以前は検討していなかった部署が課題を持っていることもあります。会社単位の情報と、担当者の役割を分けて更新します。
05電話・メール・紹介の使い分け
過去に商談をした会社なら、前回の内容を踏まえた電話で状況を聞く方法が向いています。資料請求だけの会社には、前回見ていたテーマに関連する情報を短いメールで届けます。関係が深い顧客なら、担当者や社長からの紹介が自然な場合もあります。
手段を増やすより、連絡の理由と記録を揃えることが先です。電話したが不在だった、メールを見たが時期が先、担当者が変わったなどの結果を残し、次の接触を決めます。
06SFAに次の時期を残す
休眠顧客の掘り起こしでは、すぐ案件にならない結果が多くあります。そのとき、連絡して反応がなかったで終えると、また同じリストを作り直すことになります。検討時期、予算のタイミング、担当者の変更、次に連絡する理由をSFAに残します。
次の時期が決まらない会社は、長期リードとして分け、定期的に情報を届ける対象にします。確度が低いから削除するのではなく、今すぐ追う対象と、時間を置いて追う対象を分けることがポイントです。
07掘り起こしを一度で終わらせない
休眠顧客の掘り起こしは、一回のキャンペーンで成果が出なければ失敗というものではありません。相手の検討時期が違えば、連絡のタイミングも変わります。連絡のたびに会話を更新し、次に連絡する理由を残すことで、営業資産が育ちます。
運用を担当者の空き時間に任せると続きません。対象リスト、連絡日、記録、次の行動を週次で確認し、営業会議の一部にします。
08まとめ
BtoBの休眠顧客を掘り起こすには、古いリストへ一斉に連絡するのではなく、過去の接点と止まった理由を分け、相手の現在に関係する理由を作ります。接触結果と次の時期をSFAに残し、案件にならない結果も営業資産として扱います。
新しいリードを増やすだけでなく、すでに接点を持った会社をもう一度動かす。そこに営業の投資を回収する機会があります。