メルマガを送り続けることは費用対効果が良い|1通1円未満で「思い出される会社」に居続ける

当社の法人営業では、メルマガ経由の発注が配信の直後ではなく、相手の会社で何かが起きた日の近くに来ます。それでも配信を止めない理由と、費用の計算を書きました。

メルマガは、送った直後の売上で評価すると、ほぼ確実に「やめたほうがいい施策」に見えます。当社は法人向けの営業で、見込み客にメルマガを定期的に送っていますが、配信した週に問い合わせが増えるわけではありません。発注の連絡が来るのは、相手の会社で担当者が辞めた、委託先の成果が落ちた、予算がついた、という出来事の近くです。

この記事では、当社が配信を止めない理由を、費用の計算と自社の運用で説明します。見込み客は値引きや案内で動かせないこと、それでも送り続ける理由、1通あたりの費用、開封の見方、配信の間隔と中身、開封の記録を営業に渡す運用まで。

メルマガの費用対効果は「送った月の売上 ÷ 配信費用」では測れません。相手に買う理由が生まれた日に思い出してもらうための接触を、1通1円未満で買い続けている、と考えると数字の見方が変わります。

01当社のメルマガで、発注は配信の直後には来ない

当社は営業代行と広告運用の会社で、自社の営業のために作ったMAツール「RINGO MA」から、展示会や問い合わせで接点のあった会社にメルマガを送っています。送っている中身は、広告媒体の仕様変更、料金改定、運用の現場で起きた失敗と対処、クライアントとの会議で出た論点といった、相手の業務に関係する話です。

配信の直後に問い合わせが並ぶことは、ほとんどありません。電話が来るのは、配信から2週間ほどたった頃に「ずっとメルマガは見ていました」と言われる形です。話を聞くと、その会社では担当者が辞めた、いまの委託先の成果が落ちた、新しい予算がついた、という出来事がその少し前に起きています。

問い合わせのあった会社に「どこで当社を知りましたか」と聞くと、「メルマガを見ていた」という答えが、広告や紹介と並んで返ってきます。配信した日と発注の日はずれていても、発注の理由が生まれた日に思い出してもらえているということです。メルマガの費用対効果を考えるときは、このずれを前提に置きます。

02見込み客を、こちらの都合で動かすことはできない

法人が何かを買うきっかけは、期初の予算、決算前の消化、担当者の退職、委託先の成果の低下、経営者が見た他社の事例といった、相手の側の出来事です。売る側はその日を作れません。展示会で集めた名刺のうち、その日に買う理由がある会社は数社で、残りは「興味はあるが今は理由がない会社」として名簿に残ります。

この「今は理由がない会社」に、「今なら初期費用無料」のような案内を送っても動きません。値引きや特典は、買う気のある会社の背中を押すことはできますが、買う気そのものを作ることはできないからです。掘り起こしは売る側がやる動作ではなく、相手の側で理由が生まれるのを待つ動作です。

運用担当メルマガって、ニーズが発生したときに近い日で、そのメルマガを思い出して発注くれる、ということがよくあるんです。送った直後に買ってもらうものではなくて。

運用担当こっちが掘り起こせるものではないですよね。送り続けながら、相手が「頼みたいな」と思ったタイミングで「そういえばあの会社からメルマガが来ていたな」と思い出してもらう。そこで初めて連絡が来る、という流れです。

ここで「配信した月に発注が無いからメルマガは無駄だ」と結論づけると、2週間後に来る「ずっと見ていました」の電話の説明がつきません。あの電話は、配信をやめずにいたから来ています。

03送り続ける理由は「思い出される順番の一番前に居る」こと

相手の会社で発注の理由が生まれる瞬間は、こちらからは見えません。担当者が退職を伝えた日、委託先の月次報告で数字が落ちていた日、社長が「来期はここに予算をつける」と決めた日。その日に担当者が何社かを思い浮かべるとき、最初に名前が出るかどうかで、検索して他社に流れるか、当社に電話が来るかが分かれます。

名刺のまま眠らせると、名前は忘れられる

展示会や商談で一度話した会社でも、半年連絡が無ければ当社の名前は出てきません。B2Bのリストは、担当者の異動や退職で年に2割前後が入れ替わるという感覚を当社は持っています。定期的に届くメルマガは、担当者が替わっても会社のアドレスに届き続け、新しい担当者の目にも入ります。

広告や紹介とは別の経路を持っておく

広告は媒体の仕様変更やオークションの変動で、月によって成果が大きく振れます。紹介は相手次第で、こちらから数を増やせません。メルマガは、すでに接点のある会社に自分たちの判断で送れる経路で、広告のオークションにも検索のアルゴリズムにも左右されません。問い合わせの経路が1つに寄っていると、そこが止まった月に営業全体が止まります。

04費用の計算:1通1円未満と、広告のクリック1回

メルマガの費用対効果が良いと言える根拠は、効果の大きさではなく、費用の小ささにあります。配信ツールの月額を配信通数で割ると、1通あたりの費用は1円を切ることが多い。たとえば2,000社に週1回、月4回送ると8,000通で、配信ツールの月額が1万円なら1通あたり1円少々です。

比べる相手は広告です。法人向けの検索広告で見込み客をサイトに連れてくるには、クリック1回ごとに費用がかかり、業種によっては1クリック数百円から千円を超えます。メルマガの配信1通と、それを開いてもらう1回の費用は、どちらも数円以内。同じ「会社名を思い出してもらう」接触の値段が、桁で違います。

接触の種類1回あたりの費用の目安届く相手
法人向け検索広告のクリック数百円〜千円超当社を知らない会社も含む新規
メルマガの開封数円展示会・商談・問い合わせで接点のあった会社
メルマガの配信1円前後リストの全員

法人の受注1件の金額は、月額の契約でも数十万円になることがあります。月1万円程度の配信費用で、年に数件「ずっと見ていました」という発注が来れば、費用は回収できます。期待値を高く置かなくても、費用が小さいので成り立つ。当社の運用担当が「あまり期待せずに送り続ける」と話すのは、精神論ではなく、この計算から出ています。

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RINGO MAは、営業会社の当社が自社の営業のために作り、毎日使っているMAツールです。HTMLメルマガの作成と配信、開封からサイト流入までの企業ごとの記録、反応の点数化、営業への通知までを1つで行います。ツールの提供だけ、配信の代行だけ、設計から運用まで、必要なところだけお任せいただけます。

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05開封で「まだ離れていない相手」を数える

発注が無くても、開封している会社は離れていません。今は頼む理由が無いだけで、会社名を見て開く程度の関心は残っています。配信を続けるかどうかは、発注ではなく開封で判断します。

運用担当開封してくれるなら、認知は取れているということです。そのタイミングで頼む理由が無かっただけで。

運用担当本当に離れたかどうかは、たとえば3か月送って一度も開封していない、というなら離れたと判断します。開封すらしてくれていなければ、です。

この基準があると、「反応が無いから全部やめる」という判断に流されません。開封が一度でもあれば、発注が無くても配信を続ける。3か月一度も開封が無い会社は、関心が切れたと判断してリストから外す。外すことで配信通数も減り、費用も下がります。

開封率は、受信環境によって実際より高く出ることがあります。Appleのメールアプリのプライバシー保護機能は開いていなくても開封として記録し、法人宛てではセキュリティ製品の自動確認が開封に数えられることもあります。開封は目安として見て、クリックや料金ページの閲覧のように、人が手を動かしたと分かる行動とあわせて判断します。

06間隔は空けない。中身は宣伝ではなく相手の業務の話

配信は週1回を起点にする

相手に理由が生まれる日は分からないので、配信の間隔が空くほど、その日の直近に届いている確率は下がります。月1回では、理由が生まれた日の近くにメールが届いている確率が低すぎます。法人向けは仕事の情報として読まれるので、週1回を起点に、1通を短く保ちます。1回の配信で売ろうとしない代わりに、1通1テーマで読む側の負担を小さくすると、間隔を詰めても配信停止は増えにくくなります。

自社サービスの宣伝ではなく、相手の業務に関係する話を送る

当社が送っているのは、広告媒体の仕様変更、料金改定、運用の現場で起きた失敗と対処、クライアントとの会議で出た論点です。読む側にとって「知っておいて損はない」話であれば、発注の理由が無い時期でも開いてもらえます。運用担当はこれを「迷惑じゃない、いいコンテンツを定期的に送る」と表現しています。

相手に理由がありそうな時期の配信を仕組みにする

期初の4月と10月、決算期の前、契約更新の1か月前、担当者の変更を知ったとき。相手の会社に理由が生まれやすい時期に、その理由に合わせた内容を送ると、同じ案内でも反応が変わります。こうした配信は担当者の記憶に頼らず、日付や条件で自動で送れるようにしておきます。

開封とクリックの記録を営業に渡す

法人営業のメルマガで一番価値があるのは、配信そのものより、どの会社が開いて何をクリックしたかが分かることです。料金ページを3回見た会社、事例ページをクリックした会社は、理由が生まれかけている会社です。この記録を営業に渡して、「先日の事例をご覧いただいたようで」と1本電話を入れる。名簿の上から順にかけるテレアポとは別物になります。名刺を1通1円前後で温め続け、温まった会社だけに電話をかける。当社はこの組み合わせで営業しています。

07よくある質問

配信停止が増えるのが怖くて、頻度を上げられません。

配信停止は「この会社の案内は要らない」という意思表示で、その会社は配信を続けても発注しなかった会社です。停止してもらうことは、残った会社に届け続けるための整理です。見るべきなのは、ある配信の直後だけ停止が普段の2倍、3倍に跳ねたかどうかで、そのときはその配信の中身か時間帯に原因があります。

何年も前の名刺の相手にも、送ってよいですか。

開封している相手には送り続けます。発注が無くても、開封があるなら関心は残っています。3か月送って一度も開封が無い相手と、アドレスが届かなくなった相手は外します。外すことで配信通数が減り、迷惑メール判定のリスクも下がるので、送信元の評判にとっても良い方向に働きます。

メルマガとLINE配信は、どちらを優先すべきですか。

「相手に理由が生まれた日に思い出してもらう」という役割は同じです。会社のメールを毎日見る担当者にはメール、スマートフォンで仕事をする経営者や現場の方にはLINEが届きやすい。両方を持っている相手には、メールで解説を送り、LINEでその記事を1行で知らせる、という役割分担が向いています。

効果はどの数字で報告すればいいですか。

配信月の受注だけでは判断できません。配信ごとの開封数とクリック数、3か月間一度も開封していない会社数の推移、料金ページや事例ページを見た会社の数、問い合わせ時の「どこで当社を知りましたか」への回答を並べて見ます。費用は配信通数×1通あたりの単価で出し、広告のクリック単価と横に置いて比べると、関係者の見方が変わります。

08まとめ

  • 当社のメルマガ経由の発注は、配信の直後ではなく、相手の会社で担当者交代や予算などの出来事が起きた日の近くに来ます。
  • 見込み客を値引きや案内で動かすことはできません。メルマガの役割は、理由が生まれた日に最初に思い出される会社で居続けることです。
  • 1通あたりの費用は1円前後。法人向け広告のクリック1回が数百円から千円を超えるのに対して、桁が違います。
  • 開封している会社は離れていません。3か月一度も開封が無い会社だけを外します。
  • 法人向けは週1回を起点に、宣伝ではなく相手の業務に関係する話を1通1テーマで送ります。
  • 期初や契約更新前など理由が生まれやすい時期の配信を自動化し、開封とクリックの記録は営業に渡します。

送った月の受注で測れば、メルマガはいつでも止める理由が見つかります。接触1回の値段と、思い出される順番で測ってください。期待値を高く置かず、費用を小さく保って、送り続ける。当社に「ずっと見ていました」という電話が来るのは、そうしてきたからです。

RINGO MA

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RINGO MAは、営業会社の当社が自社の営業のために作り、毎日使っているMAツールです。HTMLメルマガの作成と定期配信、開封からサイト流入までの企業ごとの記録、反応の点数化と営業への通知、期初や契約更新前など相手に理由がありそうな日の自動配信までを1つで行います。ツールの提供だけ、配信の代行だけ、設計から月次の改善まで、必要なところだけお任せいただけます。

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