テレアポモンスターは人材派遣と何が違うのか|
「人を入れる」だけでは終わらないサービスを考える

商談の文字起こしを読み返し、テレアポモンスターは人材派遣と何が違うのかを考え直しました。人への依存、採用と管理、お客様に残る手間。サービスを提供する僕自身が、今も答えを出せずにいる背景を書いたコラムです。

■ 商談では答えていたのに、読み返すと立ち止まった

相談の背景にあったのは、社内の営業担当者が日々のお客様対応を担いながら、新しいお客様との接点もつくらなければならない、という事情でした。既存のお客様への対応を減らしたいわけではない。でも、そこに時間を使っていると、新規のアポイント獲得まで手が回りにくくなる。そこで、営業活動の一部を外部に任せる方法について話していました。

こういう相談を受けると、僕はまず、どのような人材をアサインできるか、どのくらい稼働できるか、どういう体制で支えるかを考えます。お客様が困っていることに対して、こちらができることを具体的にお伝えする。商談中は、その話を進めることに集中していました。

ところが、あとから会話を読み返すと、自分の説明の中に「人」の話が多いことが気になりました。どんな人を採用するか。その人が何時間動けるか。合わなかった場合はどうするか。営業を外注する相談なのに、僕が説明しているのは、人材を確保して配置する話でもあるのです。

お客様にとっては、目の前の業務を任せられるかどうかが先にあるのだと思います。一方で僕は、その相談に答えながら、自分たちが何のサービスをつくっているのかを考え直していました。商談の場では先に進めていた話に、ひとりで読み返しているときに立ち止まった、という感覚です。

■ 自分たちの仕事を並べると、やっぱり人の話になる

テレアポモンスターでは、業務委託のアポインターを採用し、案件にアサインしています。案件の内容を伝え、トークスクリプトや記録の方法を共有し、稼働してもらう。必要に応じて、社員のSVが状況を確認したり、お客様との間に入ったりします。

その流れを自分で書き出してみると、「人を探して、その人に仕事をしてもらう」という部分が大きい。だから、人材派遣や人材紹介に近い印象を持たれても、不思議ではないと思っています。僕自身がそう感じているのに、説明の言葉だけできれいに線を引くのは難しいです。

もちろん、僕が気にしているのは、お客様から見たサービスの印象や、任せる理由についてです。契約の違いを説明できたとしても、それだけで「だからテレアポモンスターに頼みたい」と思っていただけるかは、また別の話だと感じています。

以前から、採用だけでなく教育や管理も含めて支えるつもりでサービスを考えてきました。ただ、それらを並べれば僕の疑問が解消するかというと、そうでもありません。採用した人が気持ちよく働けるように整え、困ったときに支える。その仕事は、人材を扱うサービスでも向き合うものではないか。そう考えると、もう一度、最初の問いに戻ってしまいます。

■ 良い人が見つかれば、それで十分なのだろうか

良いアポインターが見つかって、お客様の商材との相性も良く、成果が出る。その状態をつくれたら、もちろんうれしいです。お客様にも続けていただきたいし、稼働する人にも長く関わってほしい。人の力で成り立つサービスなので、採用に力を入れること自体には迷いがありません。

ただ、うまくいく理由がその人個人の経験や能力に集中していたら、僕らのサービスとして何が残るのだろう、と考えます。その人が休んだときや、別の事情で続けられなくなったときに、お客様がまた最初から人を探す状態になってしまう。それでは、外部に任せて軽くしたかったはずの負担が戻ってきます。

ここで「次の人を用意すればいい」と言うのは簡単です。でも、人が変われば、商材への理解も、話し方も、報告の仕方も変わります。前の人と同じように動けるまでには時間がかかるし、お客様に改めて説明していただくことも出てくるかもしれません。人数をそろえることと、仕事を引き継ぐことの間には、思っている以上に距離があります。

僕が引き受けたいのは、その距離を埋める仕事でもあるのだと思います。案件の情報や架電の記録を残し、次の人が理解しやすいようにする。けれど、どこまで整えれば、お客様が人の入れ替わりを心配せずに任せられるのか。そこはまだ、仕組みを用意したというだけでは納得できていません。

■ 任せてもらうほど、こちらの採用と管理が問われる

テレアポモンスターを、必要な時間から使っていただけるサービスにしたいという気持ちもあります。自社で一人を採用するほどではないけれど、新規営業を進めたい。そんなときに相談していただける形にしたい。そのために、業務委託の人材と、窓口や管理を担う社員を組み合わせて考えています。

ただ、業務委託の人材を増やせば、そのまま提供できる稼働が安定して増える、というほど単純ではありません。働ける時間も、経験も、案件との相性も一人ずつ違います。別の仕事との兼ね合いで稼働が変わることもあります。仕事を任せる人が増えるほど、それぞれの状況を把握し、調整する側の仕事も増えます。

社員のSVが支えると言っても、SVに任せる範囲が曖昧なままでは、今度はその社員一人に負担が集まってしまう。どこまでアポインターが判断し、どこから社員が引き取るのか。お客様への確認が必要なことを、誰が整理して伝えるのか。人を増やす話をしていたはずが、結局、社内の仕事の分け方まで考えることになります。

営業代行のサービスをつくっているつもりなのに、日々考えるのは、採用、報酬、配置、教育、管理のことです。そこでまた、人材のサービスと何が違うのかという疑問が浮かびます。でも同時に、人の仕組みを整えなければ、営業の仕事も安定して引き受けられない。僕の中では、この二つがまだうまく整理できていません。

■ お客様の手間が減ったかどうかで、考えてみたい

自分たちの仕事をいくら並べても、答えが出ない。そう考えているうちに、お客様側にどんな仕事が残っているかを見たほうが、少し分かりやすいのかもしれないと思いました。

たとえば、電話をかける人はこちらで用意していても、毎日の説明や進捗の確認、記録の修正、問題が起きたときの調整を、すべてお客様にお願いしていたらどうでしょう。人手は増えていても、その人を動かすための仕事はお客様のところに残っています。もともとの相談が、社内の営業担当者の負担を軽くしたいという話だったなら、そこを見落としたくありません。

一方で、商材を一番よく知っているのはお客様です。誰に、何を、どんな目的で案内するのかは、最初に一緒に確認する必要があります。僕らがすべて分かっている前提で進めることもできません。任せてもらうために必要な相談と、お客様に管理を戻してしまうこと。その境目をどこに置くかも、簡単には決められないと感じています。

リストやスクリプトを整えること、記録を残すこと、SVが相談を受けること。そうした一つひとつが、お客様の手間を減らすことにつながっているなら、僕らが引き受ける意味はあるはずです。ただ、「仕組みがあります」と説明するだけでは足りない。実際に任せたあと、何を気にしなくてよくなったのか。そこまで考えて、ようやくサービスの中身が見えてくる気がしています。

■ まだ、すっきりした答えにはなっていない

ここまで考えても、テレアポモンスターは人材派遣と何が違うのか、僕の中で納得できる言葉にはまだなっていません。「人だけでなく運用も任せられる」と説明することはできます。でも、その運用が人の力量に頼っていたら、言葉ほど明確な違いにはならないのではないか。そういう引っかかりが残っています。

良い人材を採用することは、これからも大事にしたいです。そのうえで、良い人がいる間だけ成り立つサービスにならないようにしたい。誰かの頑張りでうまくいったことを、次の案件や次の担当者にもどう残していくか。僕が今、向き合っているのはそのあたりなのだと思います。

この悩みは、他社と違うと言える言葉を探したい、ということだけでもありません。お客様が外部に任せようと決めたとき、僕らは何を引き受けるつもりなのか。料金をいただく仕事として、どこまで責任を持てるのか。自分自身がそこに納得して、サービスを続けていきたいという気持ちがあります。

先日の商談も、最初は新規のアポイント獲得をどう進めるかという話でした。そこから自分たちの採用や管理のことまで考えが戻ってきたのは、目の前の相談に応えることと、サービスの土台をつくることが、僕の中でつながっているからかもしれません。

次に同じような相談をいただいたとき、また人材や体制の説明をすると思います。そのときに、こちらが用意する人の話だけでなく、お客様の仕事がどう変わるかまで話せるようになっていたいです。今はまだ、その説明に自分でも立ち止まるところがあります。商談の文字起こしを閉じたあとも、この問いは残っています。

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