活性酸素種 (Reactive Oxygen Species、略;ROS)

活性酸素とは


呼吸によって体内に取り込まれる酸素のうち、不対電子をもち不安定な状態となった酸素、あるいは電子を受け取ることで、より安定な状態になろうとする状態の物質のことを言います。なお活性酸素は11種あることが解っています。 体内に取り込まれる酸素の大半は、体内で水素と結合して水となり体外に排出されます。しかし、このうち約2%の酸素は水に変化しないで活性酸素となります。この活性酸素は体内に侵入してきた細菌などを殺菌し無害化しますが、 一方で過剰となった活性酸素は、不対電子をもち不安定なまま安定を求めて、およそ10万分の1秒というスピードで体内の細胞に取り付き、手当たり次第に体内をサビつかせて(=酸化させて)破壊する働きに転じます。 活性酸素が人体へもたらす影響の最も顕著な例は「老化」ですが、実際には200種以上の病の元凶となっていることが解っています。活性酸素は本来、体内に存在する酵素(=SODなど)によって除去されますが、この酵素は25歳頃から低下していきます。

活性酸素の発生要因

●心身的ストレス
イヤな仕事や勉強、人間関係などのストレスも、体内で活性酸素が増えます。ストレスを受けると血管が強く収縮し血流障害がおきます。 その後、血流が急に再開する時、大量の活性酸素が発生します。

●過度な運動
激しい運動をすると筋肉が一時的に虚血状態になり、その後血流が再開するとストレスを受けた時と同じ状態となり、大量に活性酸素が発生します。

●過度なアルコール摂取
アルコールは取り過ぎると単なる薬物となります。肝臓では薬物を解毒するため様々な酵素が働いています。 この解毒(アルコールを分解)する過程で活性酸素が発生します。

●喫煙
タバコの煙には、ニコチン、タール、フェノール、ニトノソアミンなどの発ガン性物質と活性酸素の一つである過酸化水素が含まれ、 これらは体内にあるビタミンCやコエンザイムQ10などの抗酸化物質を破壊するため、発生した活性酸素を消去できなくなります。

●太陽光による過剰な紫外線照射
紫外線照射で皮膚に大量の活性酸素が発生します。この活性酸素は肌組織にダメージを与えメラニン色素を異常促進させるなど、シミ、ソバカス、シワの原因となります。 また、紫外線を強く浴びすぎると眼球の水晶体を白濁させ、視力が低下する病気になります。

●電磁波
パソコンや電子レンジなど、電化製品から発生する電波(電磁波)は大気中の水の分子を分解して「活性酸素」を発生させます。 体内で活性酸素が発生している時にこの電磁波を浴びると活性酸素の働きはさらに増幅します。

〔その他の要因〕
食品添加物の摂取、農薬が付着した食物の摂取、排気ガス、環境汚染物質(病原菌)、不規則な生活習慣、避妊薬やホルモン治療薬などの薬物療法、レントゲン照射など

活性酸素の発生を抑え攻撃から身を守る働きをする物質を「抗酸化物質(スカベンジャー)」と言います。これら抗酸化物質は、体内で作られる酵素(SODなど)と、体の外から取り入れる物質の2種類があります。

〔主な抗酸化物質〕ミネラル、ビタミン、コエンザイムQ10、ポリフェノールなど
〔優良抗酸化物質〕*プラチナ、*フラーレン

科学的検証

*現在、活性酸素は以下の11種類が確認されています。
(下の記号「・」がラジカルの意味で、物質を構成している電子の中に「不対電子」という不安定な電子があることを示す)


〔活性酸素による連鎖的脂質過酸化反応〕
①脂質がヒドロキシラジカルで脂質ラジカルになる。
②脂質ラジカルが酸素分子と反応して脂質ペルオキシルラジカルになる。
③脂質ペルオキシルラジカルは他の脂質の水素を奪って脂質ペルオキシドになる。
 水素を奪われた脂質は脂質ラジカルとなり、②からを繰り返す。
*ヒドロキシラジカルと生成した過酸化脂質から連鎖的に過酸化反応が進むことになる

主な活性酸素についての解説

〔主な活性酸素〕
■スーパーオキシド
他の物質から奪った電子1個が酸素分子の片方に入り込んだタイプの活性酸素。体内で初めに酸素分子から生成される活性酸素でもあります。この活性酸素は、細胞内のミトコンドリアが酸素からエネルギーを作るとき(呼吸など)にできるもので、人間の体内で最も大量に発生するポピュラーなものですが、他の活性酸素に比べると反応性が低く人体に与える影響も少ない。しかし、電子や水素原子のやりとりが進むと、ヒドロキシラジカルなど毒性の強い活性酸素に変化する可能性が高い。

■過酸化水素
酸素原子と2つと水素原子2つが結合してできた活性酸素の仲間で、殺菌剤「オキシドール」としてよく知られています。酸化力は大きくないが、とても不安定で、わずかなきっかけで2つに分かれ、狂暴なヒドロキシラジカルになってしまう。

■一重項酸素
通常の酸素(三重項酸素)から電子が2つ欠けた状態で、安定しようと電子を強く求めるため非常に酸化力が強い。そのため、次々と他の活性酸素に姿を変えていきます。皮膚が紫外線にあたると皮下組織内でよく発生し、多くの病気を引き起こす原因となります。

■ヒドロキシラジカル
酸素分子が分裂して互いに独立した2個の酸素原子となり各々が水素と結合したものです。体内で酸素から直接生成されることはなく、スーパーオキシドや過酸化水素から発生します。活性酸素の中で最も反応性と酸化力が強く、老化などを引き起こす主な原因と言われています。

活性酸素を消去するメカニズムと抗酸化成分(スカベンジャー)

CoQ10(=コエンザイムQ10:ユビキノン)
・スーパーオキシドは他の活性酸を作り出す元凶であり、SODなどにより処理され過酸化水素になります。これが細胞膜を通り抜けて細胞のDNAなどを損傷します。 ビタミンCはこのスーパーオキシドと過酸化水素の両方に働きます。
・過酸化水素はカタラーゼという酵素などで酸素と水になります。  過酸化水素は1価の銅イオンや2価の鉄イオンに出会うと、ヒドロキシラジカルとなり、カロチノイド、ビタミンE、女性ホルモン、フラボノイド、グルタチオンペルオキシターゼなどで除去されます。
・一重項酸素はスーパーオキシドが細胞膜に穴をあけた後にできる過酸化脂質が分解するときにも発生します。古くなった油を使うと、この過酸化脂質を摂取することになります。また古くなった食材や油を含んだお菓子、冷凍マグロ、干物、しらすには特に多いといわれます。皮膚が紫外線を浴びたときにできる活性酸素がこの一重項酸素であり、この除去方法については化粧品メーカーなどでも研究が盛んです。トマトなどの赤い色素であるリコピンは、この一重項酸素に対してベータカロチンのおよそ2倍、ビタミンEのおよそ100倍もの除去効果があるといわれます。リコピンの酸化をビタミンEが還元し、ビタミンEの酸化をビタミンCが還元し、さらに、ビタミンCの酸化は、人体で言えば肝臓で作られるグルタチオンが還元するという、一連のサイクル機構が存在します。よって、これらの関係する栄養素を総合的に摂取するのは美容学からしても効果的と言えます。

[参考] 優れた抗酸化力をもつ参考製品:セレックスC、ナノシステム


ページのTOPへ